与信とは信用を供与することである
与信と書いて「よしん」と読みます。その意味は、相手方に信用を供与することにほかなりません。一般には与信は、相手先とりわけ得意先の信用力を数値化するという類のものです。与信管理とも呼ばれ、これを行い相手の信用能力を査定しないことには、取引は始められません。
いくらまで取引することが可能か、銀行であればいくらまで貸せるのかを数値化するのです。与信管理には貸借対照表などに基づく財務分析とともに、相手先の信用力調査をも加味して行うのが一般的です。相手先の信用力は、社長の資質・性格・行動力・担保の有無などを徹底的に調べ上げます。これらだけでなく、必要に応じて交友関係をも調べたりします。
反社会的勢力との関わりなどがあろうものなら、信用力において致命傷になりかねませんから。なぜこれほどまでに信用力調査を行うのでしょうか、答えは至って簡単です。一般に「焦げ付き」と呼ばれる貸し倒れの未然防止につながるから。貸し倒れは企業にとって致命傷となりかねません。
貸した分が全くと言ってよいほど、返済されません。貸倒引当金では賄いきれないほどの金額となれば、最悪の場合には貸した側が倒産に至ります。そうなってしまっては、元も子もありません。企業は得意先を始めとした多くの企業との中で、相互の力を補完しあいながら永続していくものです。
企業の成長・発展は、自社を中心とした得意先や関連企業によって成り立っているのです。与信管理を適切に行い、相互努力で企業が成長しあえるとよいですね。